畑が教えてくれたこと ニュースレター 12月号より

畑がおしえてくれたこと2

< 年の暮れの振りかえり >

ふじりんごの収穫も無事に終わりました。今年は台風18号でかなり落果しましたので、収穫も早めに終了となりましたが、荷造り・発送はまだまだこれからです。大玉・中玉りんごはもう少し在庫があり、「家使いりんご」、「まるかじりりんご」、「加工仕向けりんご」がまだたくさんありますので、どうぞ気軽にご注文下さい。なるべく早く対応できるようやっております。(11月中旬~12月初めころは注文が集中する時期ですぐに対応するのが難しく、お待たせする場合もあり失礼いたしました。)


12月になり、1年を締めくくろうとするこの時期、時間を作って今年1年の振りかえりと反省点、来年への展望・計画などをしておきたいと思います。季節は絶え間なく流れていくので、意識的にそのような節目を作っていかないと、季節に追われての農場運営になりがちだと思うからです。


今年を振り返ってみて一番最初に浮かぶのは4月の凍霜害、9月の長雨、10月の台風と、一年にこれだけの振れ幅の大きい天候をよく受け止めてきたなということです。近年は温暖化の影響で、一昔前では考えられなかったような集中豪雨や台風、大雪などが頻発していると言われていますが、農業という仕事に就いているとそのことは肌で感じています。凍霜害についても寒すぎることが原因という訳ではなく、暖かい冬の気候に樹木が反応して、例年よりも早めに蕾(つぼみ)を膨らませ開花してしまうことが主因ですので、やはり温暖化の影響が大きいのだと思います。


では、それにどうやって対応していくのか、果樹園は霜で花が減り、長雨で落葉病がでて葉っぱが減り、台風でさらに果実が減ってしまったのですが、そんな気象条件を受けても被害を受けにくいやり方を考えていかなければなりません。まず一番先に考えておきたいのが、農場全体の営農の骨格をどうしていくか、作目をいくつかに分けて収穫時期のちがうものにしておく事が大切です。果樹園の作目で桃・梨・りんごと夏から冬の初めまで収穫するものをリレー式にしているのはその為ですが、まだふじりんごへの依存率が高いのも実情です(りんごの収穫量の6割はふじ)が、需要もふじりんごが中心なので簡単には減らせません。


果樹園と合わせて取り組んでいる人参や加工トマトなどをどの程度の作付にしたらよいかはよく検討したいところ。ここ近年の野菜関係の品質と収量アップは目覚ましく、肥料栽培を脱して炭素循環での栽培に移行してきたことが大きいと思われます。近年の人参畑は気象にほぼ左右されません。日照りでも種まき直後以外は水やりの必要がまったくなく、反対に大雨が続いても地下深くまで団粒化している畑では全部吸収してしまいます。葉っぱは地面近くで広がっているだけですのでいくら台風で風速20~30メートルが吹き付けても柳に風で意に介さず。寒さにも強く初冬に霜に当っても更に糖分を上げて甘くなっていくぐらいですので、周年出荷を目指せるかどうか。これも販売面との兼ね合いがありますが。


果樹園の土も改良されてきていますが、「農薬をどれだけ減らせるか」に力点が行き過ぎていることは反省しています。害虫関係の被害は年々少なくなり、通常防除の3割以下でも虫食いだらけになってしまうような局面はほぼなくなってきましたが、長雨が続いてカビ菌の繁殖に起因する落葉病にはまだ抵抗できません。抵抗できないと判断して殺菌剤を何度も散布すればいいのですが、前述のように「どれだけ減らせるか」という人間基準のつまらない意地がりんごの樹に負担をかけています。


でも今年は興味深い事が分かりました。先々月に紹介した広島の農業指導をしている道法さんの「切り上げ剪定」の話を聴いて、私たちのりんご畑の様子をよく観察してみると、長雨で落葉したりんごの枝の中でも上を向いて立っている枝にはちゃんと葉っぱが残っている。そして横向き、ななめ下向き、下向きの枝の葉っぱがほぼ落葉している。植物ホルモンがしっかり枝先まで回る上向きの元気な枝を作れば、明らかに耐病性が強くなるのです。私たちのりんご畑を見て回って、確かに希望の光が見えたのです。よく見ればりんごの樹はちゃんと教えてくれている。何をすればよいかのヒントを身を削って教えてくれているのでした。


おそらく普通に農薬防除して、青々とした葉っぱがついていることが当たり前の果樹園に居ても僕はそのことに気づくことが出来なかった。今年は長雨のおかげでこんなに大切なことを教えてもらえたのです。 「理論は現象の後追い。」目の前に何が起こっているのかを掴みとるチャンスをこういう年にこそ逃してはならないのです。


色いろな気象条件を受け止めて、そこでまた次の段階が見えてくる。「ライフワーク」の一文に照らして考えてみた時、やっぱり私はこの仕事が大好きだということに気が付きます。大変だと一見思うことがあると、尚さらその先に何が待っているのかを見届けようとしてしまうのです。


もちろん好きや面白そうだけで成り立つ安易なものでないこともたくさん経験してきましたが、自分と向き合い、自分の能力を鍛えて、自分の全てをたくさんの人と分かち合う努力を重ねていくこと。誰かと何かを分かち合えた喜びがきっと「生きがい」なのかなと思います。


風和君が中学3年になり、自分の進路を考えています。彼とその話をするたびに、仕事を通してどんな生き方がしたいのか考えてみようと投げかけています。彼にしてみれば面倒くさいオヤジかもしれません。それでもいいので、今しっかりとした土台を作る時間を持ってやりたいと思います。


写真は中学サッカー部最後の公式戦後のスナップ。親バカの私達夫婦はしっかり応援へ駆けつけました。もう背の高さは追い抜かれそうです。(アキオ)

畑が教えてくれたことニュースレター 11月号より

畑がおしえてくれたこと2

< 自然現象と共に >
10月5日の夜は子ども達の寝る頃の時間になって、台風18号の強風が吹きつけ始めました。典型的な風(かぜ)台風で、雨はたまに強くなりましたが、夜空にはきれいな星が見えてもいる不思議な光景でした。吹き付ける風の感触は、すっかり南国の熱風を思わせる生温かい強風。畑のあちこちを見回ると、枝が強風に煽(あお)られて、りんごが周囲の枝にぶつかり、その衝撃で落果し地面を転げていくのがヘッドライト越しの暗がりに見えました。日付が変わった12時過ぎまでの約3時間ごうごうと吹き荒れた突風。その後はピタリと止んでくれました。


収穫適期だったりんごの紅玉や秋映、洋梨ラフランスはこれに合わせてその日の夕方までに取り入れが間に合いました。が、まだ収穫時期には3週間早いシナノゴールド、1か月以上早いふじりんごなどは収穫するにもまだ手が出せないのです。りんごたちに耐えてもらうしか方法がない・・。

朝になり、明るくなってから見た畑の様子はテレビニュースでしか見たことが無かった光景が現実になっていたのでした。私だけではなく、周囲の農家のみなさんは当然心配していたから朝早くから見回りに起きだしています。「今回はえらいじゃねいかい。(大変だったなの意)」とあいさつを交わします。一番落ちやすかったのが収穫時期までもう少しだったシナノゴールド。私の世話するところは森に近い場所だったのでそれほどでもなかったですが(とはいえ45コンテナ拾いました)、地面が黄色いりんごの絨毯になった畑を茫然と見つめている方もいました。私がここへきて17年の間で、一番の台風落果被害を受けた年になりました。(私の来る3年ほど前にも、ものすごい台風直撃があったとのことです)


りんごのたくさん転がる畑を歩きながら「どうやったらこのりんごを無駄にしないで使ってもらえるか」を考えていました。よく見ていくと、私達の果樹園は例外なく地面の上には緑のじゅうたんのように雑草が茂っていますし、炭素資材と微生物の働きで畑の土はふかふか柔らかいのですから、傷の程度が浅いもの、ほとんどキズのないものもたくさんあるのです。ただ土の香りが果実に移っては食味が落ちるので、とにかく急いで拾い集めようとみんなですぐにコンテナへ拾い上げていきました。それを選別して、良いものは皆さんにできるだけ使ってもらえるようにしようとメールマガジンでお知らせしたり、友人のフェイスブックなどにも紹介してもらったりで、ずいぶん注文を頂くこともできました。本当に感謝です。(あと30コンテナほどあります!)


ふじりんごの収穫時期には少し早かったのでミツ入りの完熟ふじにはなりませんが、これはこれで十分食べられるよ、酸味好みの私にはこれで美味しいよと言っていただく方も多く、ジャムやお菓子作りに使ってちょうどよかったとの声もありました。おぐらやま農場は農場直売で16年、みなさんと何かのご縁やつながりのおかげで、農産物を送り届けさせていただいてきましたが、今回はなお強烈に皆さんのメールやFAXが、心強く有り難く自分の心に響いたのでした。台風で落ちたりんごを前に「さあ、いい課題が来たぞ。」と頭を切り替えていくスイッチがすぐに入りました。たくさんのりんご達が地面に落ちていくその瞬間を、自然界のしなやかさで受け止めてくれた果樹園の下草さん、炭素資材と微生物さん、ふかふかの畑の土たち、本当に助かりました。ありがとう。


< 皆様へのおねがい >
今シーズンは春先の花蕾の凍霜害、9月の長雨、そして台風落果と、自然現象を受け止めていくことが立て続けにありました。りんごの樹たちは精一杯それに対応してくれています。が、私たちのお世話が足りなかったこともあり、収穫量としては例年よりも少なく(7~8割予想)、ジュース用仕向けのりんごも多くなっていますので、贈り物・自家用でもりんごジュースやジャム等の詰合せを使っていただくと有り難いのです。またはりんごの箱サイズを一つ小さくして(10キロ箱を5キロ箱へ、5キロ箱を3キロ箱へ等)、小さくした分をジュースやジャムの詰合せをプラスして贈り物にしていただけたら、今年の農場の状況からいえば助かります。農場の様子をありのままにお伝えして状況を知っていただくことは必要かなと私達なりに考えた末のお願いです。どうぞご一考下さい。

今シーズンから「りんごジュース」、「人参りんごジュース」、「トマトジュース」に加えて、「桃りんごジュース」(桃とりんごを半分ずつミックスした100%果汁)も11月中旬頃に製造できる予定です。「洋梨ジュース」は工場の都合で製造中止になり今は4種類です。ジャムも色とりどり5種類があります。りんごは大玉・中玉・家使い用と「加工仕向け用」がありますので、用途によってはそれもお使い下さい。


< おぐらやま農場はスタッフを募集しています >
農場を舞台にした絵本を講談社から出版した中武ひでみつさんが、絵の仕事で独立していくと決意して、農場スタッフを卒業されました。約6年間、ずっと農場運営に関わってくれて本当に私達を助けてくれたことに感謝しています。それで、新たにおぐらやま農場でスタッフとして働いてみたいという方を募集しています。 私達が目指している安心して食べられる農産物栽培と地域農業の後継者としての営農。そのような農場方針に理解いただける18~45才までの男性(自動車免許のある方)を「1名」募集中です。給与や休日など詳細は問い合わせ下さい。農水省が就農希望者への研修・実務経験養成の為に実施している「農の雇用事業」への参加(原則2年間)を前提としています。通いで来てもらうのが基本ですがスタートから数か月程度の住み込みは可。相談下さい。

農場で研修した後に独立就農を目指すもよし、農場スタッフとして長く農場運営に関わるもよし、研修後に半農半Xの生活を切り開くもよし。状況や思いを尊重しながら進めます。農業で生活していくという道は簡単ではありません。情熱を持って取り組んでみたいという方を募集します。

*おぐらやま農場での研修で得られるもの・・①有機農業(果樹園は低農薬栽培)の実務経験。果樹園・野菜畑・稲作(自家用)など。②農場に関わる人たちとの出会い(松村ファミリー、農場スタッフ、地元友人たちや縁農サポーターの方、お客様、年間80人程度のウーフ参加者等。日常が生きた英語学習にもなります)。③自給自足的な暮らしの体験。自分の畑もやりたい方相談下さい。


年の瀬の御挨拶  < おぐらやま農場だより その256 2016・12・29 >


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 
 

 信州安曇野から 幸せの風をお届けする
         お百姓発のメールマガジン 

おぐらやま農場だより その256 2016・12・29 


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

< 年の瀬の御挨拶 >

11月から12月にかけて、りんご収穫と発送の繁忙期となり、
お客様へ丁寧な対応が出来ない時がありましたこと、この場を借
りてお詫び申し上げます。


今年一年は春の遅霜、9月の長雨、10月の台風と、自然現象に
大きく影響を受けた年になりましたが、それがあってくれたこと
で発見できたことも、方向性が見えてきたこともたくさんあり、
学び多き一年でした。


天候に左右された分、お届けした農産物の品質が安定しないこと
があったかもしれませんが、現時点での私達と畑や作物たちの精
一杯だったと思います。


自然現象の振れ幅に大きな影響を受けないような、たしかな農
業技術と観察眼と、農場の底力を養っていきたいと思います。


また、事務作業がどうしても遅れ遅れになってしまい、皆さんへ
心配おかけしてしまうこともありますが、年が新しくなりました
ら心新たに体制も見直して、皆様の食生活・食卓へ安定してお役
に立てるよう、


農場スタッフ一同、力を合わせて取り組んでいきたいと思ってお
ります。どうぞよろしくお願いいたします。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


< 年末年始の農産物情報 >

*12月30日午前10時までに注文いただいた分は年内発送対
応出来ると思います。新年は1月4日より業務開始です。ネット
ショップへの注文は365日できますが、年末年始休業中は確認
メールが遅くなってしまう場合があります。


*冷蔵庫に「かりん(マルメロ)」が残っておりました。まだ品
質の良いものを選んで発送できますので、ご希望の方はお知らせ
ください。かりん酒・かりんのはちみつ漬け・かりんジャムなど
喉の調子を崩しやすい冬のために手作りしてみませんか。
http://www.ogurayamashop.com/category/39/


*りんごは「ふじりんご」のみとなりました。「家使い用」と
「まるかじり用(小玉)」が注文できます。「大玉」・「中玉」
は終了ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
http://www.ogurayamashop.com/category/10/


*10月台風の落ちりんごは皆さんに協力いただき、ほぼ終了す
ることが出来ました。心より感謝申し上げます。

引き続き「加工仕向け」というカテゴリでりんごを販売できるよ
う価格設定しておきます。希望の方はこのメールに返信でお知ら
せください。「家使い用」よりもキズや変形などの程度が大きい
もの。ジュースや料理にたくさん使いたい人向け。メルマガ会員
限定です。
15キロ・4500円+送料
10キロ・3000円+送料
(もみ殻の緩衝剤なし。2割増し計量。お支払いは〒振込用紙同
梱します。)

加工仕向けりんごはこのメールに返信で、注文くだされば助か
ります。(名前・住所・電話番号お忘れなく) どうぞよろしくお願
いいたします。


*人参・アロマレッドが大好評です。「箱買いしてたくさんあっ
ても美味しくてすぐになくなってしまう」という方が増えていま
す。4月上旬まで販売予定しています。
http://www.ogurayamashop.com/category/29/


*「りんごジュース」・「人参りんごジュース」・「トマトジュ
ース」に加えて「桃りんごジュース」を製造しました。桃の美味
しさがしっかり味わえます。
http://www.ogurayamashop.com/category/48/


*果物ジャムはいかがですか。「りんご」・「人参りんご」・
「かりん」・「洋梨」・「桃」の5種類出ています。セットで
注文も出来ます。
http://www.ogurayamashop.com/category/30/


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


それでは皆様、良いお年をお迎えください。新しい年が皆さまに
とって、日本にとって、この世界にとって、平安で穏やかな年と
なりますように。


ありがとうございます。感謝。
よろしくっす!!

おぐらやま農場

Author:おぐらやま農場

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