畑が教えてくれたこと ニュースレター8月号より

畑がおしえてくれたこと2

< ひたすらに草を引く >

今年のおぐらやま農場のウーファーさんは、今までで一番たくさん草引きをしているかもしれません。果樹園では機械を使っての「草刈作業」となるのですが、野菜畑では手で草を根っこから引き抜いていく作業が中心になります。主にトマト畑に張ったマルチのすぐ際の部分、そしてケールやサツマイモ、長ネギ畑の畦間、家庭菜園ではトウモロコシや落花生、キャベツやオクラなど、ビニールハウスの中には夏野菜のナス・ミニトマト・ピーマン・きゅうりたちと、様々な作物を植え付けて、そこから生えてくる雑草たちを引き抜いていきます。

マレーシアの農業大学から、インターンシップとしておぐらやま農場へ3か月滞在している4人の大学生たち。黙々と草引きが出来る働きものです。少々お天気が照っても平気です。マレーシアの陽射しに比べれば信州安曇野の照り付け方など大したことはないのです。将来、自分の仕事として農業を選んでいる若者達ですから、それに向かっての覚悟も見える気がします。
彼らを見ていて、自分が「農業」という仕事を、自分の仕事としてやっていこうと「覚悟」を持ったのはいつごろだったかなと、考えていました。夢や憧れでいる段階と、その段階を通り抜けて、この仕事を選んだからこそ感じられる愉しみや、背負うことになる事、それらを一通り体験してみて初めて自分の中に生まれる「覚悟」があると思います。それは農業という仕事に限らず、商人には商人の覚悟、学校の先生には学校の先生なりの覚悟がきっとあるのだと思いますし、警察官でも、政治家でも、どんな仕事にもそれを通して社会とつながったり、自分を成長させてくれたりという仕事観です。

まだ20代前半の頃、牧場で仕事をしていました。乳牛の繁殖担当の場を得て、人工授精や牛のお産の世話をしておりました。1000頭以上成牛の飼育されていた大きな牧場でしたから、ほぼ毎日親牛が仔牛を産みます。仔牛は生まれてから30分以内に母牛から搾った「初乳」を飲むことでその後の健康や成長具合に大きな違いが出てくると言われており、お産担当の時はなるべく出産に立ち会い、首尾よく初乳を搾って仔牛に飲ませてやるのが大事なポイントな訳です。(初乳の中には仔牛の身体を様々な病原菌などから守ってくれる免疫成分がたくさん詰まっているのです。) 

1000頭の成牛が飼われていても、毎日平均的に生まれてくれたら、牛たちは1年でだいたい1産するので1日3頭ぐらい生まれてくる計算なのですが、夏場に牛乳消費が伸びるのでそこに合わせて生産する為に、4月5月頃のお産が多くなるように計画するので、春はお産ラッシュになるのです。さらにどうしても偏りが出ますし(満月近くの夜などはよく生まれる)、一日で十数頭の出産を見守り、初乳を搾って仔牛に飲ませるということが延々と続く時期がありました。牛のお産は昼も夜もあまり関係ありませんから、真夜中も、朝までも、お産を見守り、時には難産の介助で母牛と息を合わせて仔牛の足を引っ張ったりと、無我夢中で、寝食を忘れて仕事をしておりました。目の前にある事実に合わせていく面白さを、理屈でなく感じていたように思います。もちろんその当時の僕を周囲で見守ってくれたたくさんの方たちの愛情があってこそなのですが。その後、訳あって牧場の仕事に区切りを付けるのですが、一度自分の中に息づいた覚悟が消え去ることはなく、16年前に自分たちの農場を始めるという暴挙に(?)つながってしまう訳です。

草が伸びてきたら草を引く(草を刈る)という行為も、目の前にある事実に合わせていく行為です。作物の成長に合わせて何ができるか何が必要かを見定めて、手を打っていくことの連続。牧場時代の対象は牛たちで、おぐらやま農場を始めてから果物の樹や野菜たちになっても、生命の本質は、全く変わらないと思います。さらに農場を始めて、畑の土と深くかかわるようになってから、人間の目にはっきりと見えない微生物・菌類たちの圧倒的な生命環境の存在を知るようになって、その「覚悟」の深まりを感じるのです。

お陰様で、夏に淡々と草引きを続る面白さが分かってきました。やるべきことをやっていくという楽しい覚悟。今なら桃の収穫時期に合わせて収穫し、それをすぐに発送していく面白さ。さらに、どうやったら草が少なくなるか、スムーズな仕事になるかと、淡々と仕事をする中に改良の視点が生まれる。これも覚悟あってこそです。大勢ウーファーさんが来てくれますが、その仕組みをくみ上げていくのも覚悟あってこそだと思います。若い人たちが、ウーフの暮らしの中で何を感じ取っているのか、僕たちの立ち居振る舞いから、言葉の端々から何かを感じてくれたら嬉しいと思います。


< たんじゅん農交流会にて 今回は国際的に >
7月11日に今年2回目のたんじゅん農交流会を開きました。今回は南米ボリビアのバジェグランデ市という町の市長さんがなぜかおぐらやま農場の果樹園の見学、研修に来るということで、「それならぜひ、たんじゅん農に触れてほしい」と思い、おぐらやま農場と近隣の炭素循環へ転換中圃場を見学し、「城さんのたんじゅん農講座」で面白い話をたくさん聞いてもらいました。。

まだ40代の若い市長さんで、とっても熱心に話を聴き、質問などもされていました。ボリビアの農業はここ10数年で大きく様変わりしてしまい、肥料・農薬に頼らなければいけない形になってきてしまったそうですが、それを有機農業で営農していける方法はないかという市長さんの願いに少しでも適う研修にしたかったのです。

よくよく市長さんの話を聞いていると、「日本のどこかで、有機農業を学び実際に営農していける若い人材を育てたい。その研修先を探している。渡航費は市の予算を付けられる。」と、実は市長さんなりの隠れテーマがあったことを知りました。

私達の農場がそれに応えられるだけの地力を持っていればいいのですが、まず言葉の問題(スペイン語は全くわからない)、そして農場のレベルの問題、いろいろ課題はあります。でもいつの日かそんなことでボリビアという国に貢献できる機会が来るとしたら素敵なことだなと、野心めいた思いが出てきたのも事実です。

今はマレーシアの農業大学の学生がインターンシップをかねて4人ウーフに来ています。3か月の滞在もあと2週間もありません。彼らにとっても今回のたんじゅん農交流会はとても刺激的だったようです。無理なく品質と収量を伸ばす有機農業のベースに炭素循環がある。世界中どこでも通用する原理です。 (あきお)

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