畑が教えてくれたこと ニュースレター9月号より

畑がおしえてくれたこと2

< 植物ホルモンの働き >

就農して16年。また私の前に一つの大きな課題があらわれました。穂高で「自然栽培」に取り組んでいる山田さんという知り合いが声をかけてくれて、「自然栽培全国普及会・中部ブロック大会」に参加してきました。

広島から全国各地を飛び回り、剪定を指導している道法正徳さんという方の話、「植物は肥料で育つのではなく、植物ホルモンで育っている。」という理に合わせた「切り上げ剪定」を以前から聴く必要がある、学ばなければいけないとずっと思っていたことがやっと実現したのです。自然栽培普及会の会員でもない私がのこのこと出かけていきましたが、これが私には大きな衝撃でありました。無知を恥じるとはこのこと・・。

発芽ホルモン(ジベレリン)葉や茎が元気に育つ。・・チッソ
花ホルモン(サイトカイニン)根の生長・開花結実。・・リン酸
根っこホルモン(オーキシン)根や実の発育。・・カリウム
虫よけホルモン(エチレン)細胞膜を作る。・・カルシウム
美味いホルモン(アブシジン酸)葉緑素を構成。・・マグネシウム

これまでの農学では、肥料の3要素や各種ミネラル類にそれぞれの働きがあると言われて、様々な肥料が工夫されてきた歴史があります。が、植物体内でその生長を司る最大の要素は植物ホルモンではないのかと。

剪定する時にどんな枝ぶりを作ったらどんなホルモンが働くのか、どれぐらい枝を切ればいいのか、剪定と根っこの成長はどのようにリンクしているのか、植物のチッソ含有量が高まると何が起こるのか等々、次から次へと新しい話が出てきて、面白くてたまりませんでした。

樹の姿が全然変わってきます。これまでほぼ切り下されていた徒長枝(とちょうし)と呼ばれる、通常は無駄な枝だとされた枝を使うのです。でも事実、これでやってみると樹が丈夫になり、収量が増え、良いものが取れるようになる。

4年ほど前に、道法さんの切り上げ剪定の記事を読んだことがありました。でもその時は「いつかこれをちゃんとやらなければいけない」と思い、その「いつか」がなかなかやってこなかったのは、やっぱり私の欲の浅さ、甘さと言ってよいと思います。「いつか」という時はやっぱり来ない。「今」やり始めるから、前に進めるのだと思います。

剪定方法を変えるというのは長くやっている人ほど難しく、エネルギーが要ります。4年前はそれだけのエネルギーが自分になかったのだとも言えます。今年の冬の剪定から少しずつ取り組んでみますが、どんな結果が出てくるか、1年後には見えてくる部分もあると思います。

道法さんの講義資料の中に、興味深い解説があります。

< 植物の屈地性(くっちせい) >
「植物は横になると重力と正反対方向へ伸びようとして垂直に伸びていく。これは植物ホルモンの、根っこホルモン(オーキシン)が関係している。植物が横になると枝の下側半分の根っこホルモン濃度が濃くなり上に曲がるシステムである。斜めになったり、横になった枝や茎を垂直に縛ると、枝や茎を起こす労力を使わないで済むので上によく伸びる。茎が増えて収量が上がる。しかもこのオーキシンは単位結実性(単位結果性)を高め、糖度も上がりやすくなる。」 以上講義資料より

これが果樹の剪定で枝を下げないで(横向き・下向きにしないで)、「切り上げ剪定」(上向きの枝で果実を実らせる剪定)をする理由です。苗木定植の際にも、主枝と横から出る枝も全て上向きに紐でしばり真上へ枝を向けることで、無肥料で大きくなる速度がぐんと早まるのです。


< 果樹の生長と植物ホルモン >
「チッソ肥料を施すと、体内に取り込まれアミノ酸に合成されタンパク質に。一部は葉緑体を構成する成分として着色を増し光合成を活発にさせる。

しかし、最も枝の伸長に影響を及ぼす植物ホルモン「ジベレリン」の化学構造式に「N(チッソ)」は含まれていない。現象を追う結果から明らかになっているのは体内のチッソ含量が高まると生長促進ホルモンのジベレリン含量が増大し、生長抑制ホルモンであるアブシジン酸やエチレンの生成が低下する。」 以上、講義資料より。

前ページにも掲載しましたが、生長抑制ホルモンであるアブシジン酸は気孔閉鎖などを調整し乾燥や低温のストレスから植物体を守ろうとします。葉からの水分蒸散をおさえ呼吸や光合成能を下げ、結果的に果実糖度を高める役割をするようです。もう一つの生長抑制ホルモン、エチレンは熟期促進作用と「病害虫に対しての抵抗性を強める働き」があり、植物ホルモンの産生が弱まってしまう剪定では病害虫への抵抗性が弱く、農薬防除が多く必要になる理由がここにあります。


メールマガジンを配信したら、地元のUさんがさっそくメッセージを届けてくれました。井の中の蛙で自分が住んでいる安曇野周辺のことしかよく知らない私ですが、本質を見る目であちこち世界を見ている人からの言葉は力強いです。ありがとうございました。

「切り下げ剪定は木を弱らせて結実させる方法です。ですから農薬が必要になります。不自然なことをして対処しています。オーストリアやヨーロッパでも剪定なしで無農薬のリンゴが実っています。食べるものは商品ではない。そこから出発しない限り見てくれのいい大きなものを良しとします。 奇跡の人参 、奇跡の白菜、 奇跡の何々 全く馬鹿げています。」

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