畑が教えてくれたことニュースレター 11月号より

畑がおしえてくれたこと2

< 自然現象と共に >
10月5日の夜は子ども達の寝る頃の時間になって、台風18号の強風が吹きつけ始めました。典型的な風(かぜ)台風で、雨はたまに強くなりましたが、夜空にはきれいな星が見えてもいる不思議な光景でした。吹き付ける風の感触は、すっかり南国の熱風を思わせる生温かい強風。畑のあちこちを見回ると、枝が強風に煽(あお)られて、りんごが周囲の枝にぶつかり、その衝撃で落果し地面を転げていくのがヘッドライト越しの暗がりに見えました。日付が変わった12時過ぎまでの約3時間ごうごうと吹き荒れた突風。その後はピタリと止んでくれました。


収穫適期だったりんごの紅玉や秋映、洋梨ラフランスはこれに合わせてその日の夕方までに取り入れが間に合いました。が、まだ収穫時期には3週間早いシナノゴールド、1か月以上早いふじりんごなどは収穫するにもまだ手が出せないのです。りんごたちに耐えてもらうしか方法がない・・。

朝になり、明るくなってから見た畑の様子はテレビニュースでしか見たことが無かった光景が現実になっていたのでした。私だけではなく、周囲の農家のみなさんは当然心配していたから朝早くから見回りに起きだしています。「今回はえらいじゃねいかい。(大変だったなの意)」とあいさつを交わします。一番落ちやすかったのが収穫時期までもう少しだったシナノゴールド。私の世話するところは森に近い場所だったのでそれほどでもなかったですが(とはいえ45コンテナ拾いました)、地面が黄色いりんごの絨毯になった畑を茫然と見つめている方もいました。私がここへきて17年の間で、一番の台風落果被害を受けた年になりました。(私の来る3年ほど前にも、ものすごい台風直撃があったとのことです)


りんごのたくさん転がる畑を歩きながら「どうやったらこのりんごを無駄にしないで使ってもらえるか」を考えていました。よく見ていくと、私達の果樹園は例外なく地面の上には緑のじゅうたんのように雑草が茂っていますし、炭素資材と微生物の働きで畑の土はふかふか柔らかいのですから、傷の程度が浅いもの、ほとんどキズのないものもたくさんあるのです。ただ土の香りが果実に移っては食味が落ちるので、とにかく急いで拾い集めようとみんなですぐにコンテナへ拾い上げていきました。それを選別して、良いものは皆さんにできるだけ使ってもらえるようにしようとメールマガジンでお知らせしたり、友人のフェイスブックなどにも紹介してもらったりで、ずいぶん注文を頂くこともできました。本当に感謝です。(あと30コンテナほどあります!)


ふじりんごの収穫時期には少し早かったのでミツ入りの完熟ふじにはなりませんが、これはこれで十分食べられるよ、酸味好みの私にはこれで美味しいよと言っていただく方も多く、ジャムやお菓子作りに使ってちょうどよかったとの声もありました。おぐらやま農場は農場直売で16年、みなさんと何かのご縁やつながりのおかげで、農産物を送り届けさせていただいてきましたが、今回はなお強烈に皆さんのメールやFAXが、心強く有り難く自分の心に響いたのでした。台風で落ちたりんごを前に「さあ、いい課題が来たぞ。」と頭を切り替えていくスイッチがすぐに入りました。たくさんのりんご達が地面に落ちていくその瞬間を、自然界のしなやかさで受け止めてくれた果樹園の下草さん、炭素資材と微生物さん、ふかふかの畑の土たち、本当に助かりました。ありがとう。


< 皆様へのおねがい >
今シーズンは春先の花蕾の凍霜害、9月の長雨、そして台風落果と、自然現象を受け止めていくことが立て続けにありました。りんごの樹たちは精一杯それに対応してくれています。が、私たちのお世話が足りなかったこともあり、収穫量としては例年よりも少なく(7~8割予想)、ジュース用仕向けのりんごも多くなっていますので、贈り物・自家用でもりんごジュースやジャム等の詰合せを使っていただくと有り難いのです。またはりんごの箱サイズを一つ小さくして(10キロ箱を5キロ箱へ、5キロ箱を3キロ箱へ等)、小さくした分をジュースやジャムの詰合せをプラスして贈り物にしていただけたら、今年の農場の状況からいえば助かります。農場の様子をありのままにお伝えして状況を知っていただくことは必要かなと私達なりに考えた末のお願いです。どうぞご一考下さい。

今シーズンから「りんごジュース」、「人参りんごジュース」、「トマトジュース」に加えて、「桃りんごジュース」(桃とりんごを半分ずつミックスした100%果汁)も11月中旬頃に製造できる予定です。「洋梨ジュース」は工場の都合で製造中止になり今は4種類です。ジャムも色とりどり5種類があります。りんごは大玉・中玉・家使い用と「加工仕向け用」がありますので、用途によってはそれもお使い下さい。


< おぐらやま農場はスタッフを募集しています >
農場を舞台にした絵本を講談社から出版した中武ひでみつさんが、絵の仕事で独立していくと決意して、農場スタッフを卒業されました。約6年間、ずっと農場運営に関わってくれて本当に私達を助けてくれたことに感謝しています。それで、新たにおぐらやま農場でスタッフとして働いてみたいという方を募集しています。 私達が目指している安心して食べられる農産物栽培と地域農業の後継者としての営農。そのような農場方針に理解いただける18~45才までの男性(自動車免許のある方)を「1名」募集中です。給与や休日など詳細は問い合わせ下さい。農水省が就農希望者への研修・実務経験養成の為に実施している「農の雇用事業」への参加(原則2年間)を前提としています。通いで来てもらうのが基本ですがスタートから数か月程度の住み込みは可。相談下さい。

農場で研修した後に独立就農を目指すもよし、農場スタッフとして長く農場運営に関わるもよし、研修後に半農半Xの生活を切り開くもよし。状況や思いを尊重しながら進めます。農業で生活していくという道は簡単ではありません。情熱を持って取り組んでみたいという方を募集します。

*おぐらやま農場での研修で得られるもの・・①有機農業(果樹園は低農薬栽培)の実務経験。果樹園・野菜畑・稲作(自家用)など。②農場に関わる人たちとの出会い(松村ファミリー、農場スタッフ、地元友人たちや縁農サポーターの方、お客様、年間80人程度のウーフ参加者等。日常が生きた英語学習にもなります)。③自給自足的な暮らしの体験。自分の畑もやりたい方相談下さい。


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