その23  02・09・11   「麦藁帽子の下で」

azumi23.jpg
写真はじゃがいも畑の横で手をつないで歩く母ちゃんと風和です



皆さんこんにちは。お元気ですか。夏の日差しも過ぎさり秋風と赤とんぼが飛び交い始めたおぐらやまです。8月の終わりからようやくジャガイモ堀りに手がついて、2日半ほどで掘りあげました。


私の好きな男爵とアンデスという赤い皮のジャガイモであります。りんごコンテナで全部で14コンテナほど獲れましたが、自家用に5コンテナほど残して、一番小さいちび芋は来年の種芋に残して、後は販売します。


じゃがいも掘りは数ある畑仕事の中でも、僕が一番好きな仕事のひとつといってよいものです。先回も少し触れた山尾三省さんの詩に「びろう葉帽子の下で」というタイトルのものがあり、その中に「びろう葉帽子の下でじゃがいもを掘る」というくだりで始まる詩がいくつもあり、毎年真夏のじりじりと照りつける太陽の下で、僕の場合は麦藁帽子を被ってじゃがいもを掘る時、限りなく自分自身が三省さんに近づいてゆけるような気がするのです。


ひと振り、ひと振り、備中鍬をふりおろし、土中の芋を傷つけないように気遣いながら掘り起こし、時々は芋を割ってしまっての悔しい感情や、大きな芋がごろごろと顔を出す時の嬉しさや、しばらくやっていると背中の筋肉が痛くなってくる感覚も、畑を吹き抜けていくさわやかな風の匂いも、そうやっていろんなことを感じながら仕事をしている自分を、空の上からまた自分が見ているような、そう、気持ちよさそうに青空に弧を描きながら飛び回るとんびのような気持で(とんびの気持がわかるわけではないけれど)、そんな仕事ができるのが僕にとってのじゃがいも掘りなのです。


----------------------------------------------------------------------------------

麦藁帽子の下でじゃがいもを掘る
麦藁帽子はホームセンターで買った
画一化された大量生産商品のひとつだけれど
その帽子が今の私を夏の日差しから守ってくれている
太陽の光は私を生かすじゃがいもを育て
草木のいのちと人のいのちの根源であるとともに
目に見えぬ紫外線をもわが身に降り注ぎながら
熱き畑の土の上で鍬振るう僕に
僕がこの時この場で何を為すべきかを
言葉なき言葉で語りかけている

僕はここで何をしているんだろう
じゃがいもを掘って何をしているんだろう
じゃがいもを掘っていれば
あずみのこの青き空をあのとんび達に残せるのだろうか
じゃがいもを掘っていたら
きらめき透きとおる梓川のながれをこれからも魚たちの棲家に残せるだろうか
じゃがいも掘ったこのあとに
このじゃがいも畑を風和たちが走り回る大地のままで残しておいてやれるだろうか

-----------------------------------------------------------------------------------

10時と3時半には腰をおろし、軽トラのつくる日陰に座り込み、麦藁帽子をとってタオルで汗を拭き、母ちゃんがが冷蔵庫で冷やしておいてくれた麦茶を飲んでしばし休憩です。この詩を書きたくなった日の空は雲ひとつ見当たらない透きとおるような青空の日で、透きとおった先の青がいつもより深い青に染まり、もう夏の黄色の入った青ではない秋の青空を表していました。今年から自分で畑を借りて曲がりなりにも百姓を始めたことに対しての喜びがしみじみと感じられたいい一日でした。


宮沢賢治の生前に出版社から刊行された唯一のものが「注文の多い料理店」という童話集です。あれだけたくさんのものが書き残されているのに、生前出版がこの本だけなんて(「春と修羅」の詩集も自費出版で部数もわずかだったとか)驚きですが、私はこの童話集の序文が大好きなのです。

------------------------------------------------------------------------------------


わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石入りのきものに、かはつているのをたびたび見ました。
わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野原や鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。

---(中略)---

ですからこれらの中には、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちひさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。

--------------------------------------------------------------------------------------

自分の文章力のなさを賢治の言葉で代弁してもらいましたが、私もおぐらやま農場だよりをこのイーハトーブ童話集序文を書いた賢治の気持で書いてみたいと思っているのです。物の考え方や社会を捉える見方にも至らないこと多き私でしょうが、そのままの私をみていただき、言葉交し合う中に生まれてくる目に見えないものが「あなたのすきとほつたほんとうのたべものになること」を願ってやみません。



写真はじゃがいも畑の横で手をつないで歩く母ちゃんと風和です。彼は歩き出したと思ったら最近はテケテケと走り出しました。行動範囲がどんどん広がりますが、まだ興味のあるものは何でも口に持っていくのでヒヤヒヤものです。この前は室山の公園で遊ばせていたらタバコの吸殻を口に入れてしまったらしく、大慌てで病院へ駆けつけたそうです。幸い事故にはつながりませんでしたが、母ちゃん、松本・安曇野地方の地域新聞に「タバコのポイ捨て絶対止めて!」と投書しておりました。吸殻はほんとに危ないです。まともに食べちゃうと命にかかわります。皆さん、くれぐれもタバコのポイ捨てはやめてくださいね。

後ろにみえる鉄道貨物コンテナは倉庫として使うつもりで購入しました。古くなった貨物コンテナは方々へ払い下げていくみたいでちょうど倉庫が必要だった私には都合のいい話でした。そして茅野の方でパイプハウスをくれた方がいましたのでそれを解体してもってきてありまして、このコンテナの横に建てて行く予定です。屋根をかけて機械や資材など雨や日光で傷まないような場所が必要なのです。さてどうやってつくるかなー。2~3日手伝ってくれる人いませんか!

さておしらせその1。
りんごの収穫時期が迫ってきました。もう10日ほどで千秋の収穫になりそうです。そのあと王林、ふじと続きます。詳しいお知らせは次回いたしますのでお楽しみに。また皆さんのもとへりんごを送り出せることを楽しみにしております。

その2。農場だよりのバックナンバーを読めるように、それ専用のホームページをつくってもらっています。(みなさんもよくご存知、増田君であります) 来週にはホームページのアドレスをお知らせできると思いますので気が向いたらアクセスしてみてください。それではまた来週まで、ごきげんよう!季節の変わり目は風邪に注意ですよ!

コメントの投稿

Secret

よろしくっす!!

おぐらやま農場

Author:おぐらやま農場

こんにちは、おぐらやま農場のてるちゃんです。
毎日の農場の様子をお伝えしていきます。
2008年以前の日記を読みたい方はこちらです。

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
If you click [English], you will read this blog in English.
English English得袋.com
トマト生活はじめませんか?

野菜不足の方へ

生命力たっぷりのりんご

生命力たっぷりのりんごお届けします!3

最新の記事だよ♪
カテゴリだよ♪
コメントありがとう♪
読んでくれてありがとう♪
読んでいただいてありがとうございます。 コメントを残していってくれると嬉しいです。
月間表示です♪
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

おぐらやま農場の農産物を購入したい方♪
おぐらやま農場では、季節の果物、100パーセントジュース、ジャムなどを販売しています。こちらでどうぞ!
おぐらやま農場ネットショップ

おぐらやま農場の最新情報が読めるメールマガジンはこちらから登録できます。
農業体験者募集中!!
face book
Twitter
よかったらフォローどうぞ♪ 時々英語でのつぶやきにも挑戦するぞーー!
おぐらやま農場生産物

りんご

桃









みんな楽しいね♪
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード