畑が教えてくれたこと 2012年6月号

畑がおしえてくれたこと2

<おぐらやま農場ニュースレター6月号より>


< 微生物のご飯探しのお話 >
私達の農場では「炭素資材」と呼ぶ、微生物のご飯となるものを、安定的にしかも大量に準備する必要があることは、今までも何度か紹介してきました。これまでに使わせてもらってきたのは、地元の米農家から分けてもらうもみ殻や、農場近くにある森林組合の貯木場の脇に野積みになっているバーク(木の皮)、やはり近所のキノコ農家からいただく廃菌床等でした。それで充分かと言えば現状はそうではありません。もみ殻もたっぷりと使うにはまだ足りませんし、バークについては生のまま畑に使うと針葉樹特有の成長阻害物質の事があり、安全のため1年ほど野積みしてから使うという事情があります。キノコ廃菌床も大量に毎日出てくるわけではなく貴重なものです。また資材の種類も1つに偏ることなく、手に入らなくなった時の為にも様々なものを組み合わせて使うのが理想としています。



ですので日頃から農場主の私は「なにか微生物のご飯になるものはないかなあ」とその目線で色々なものを眺めまわしている訳なのですが、ある日畑に打ち捨ててある大量のトマトの葉っぱを発見。といっても、その畑に近くの水耕栽培施設から、ほぼ毎日トマトの芽かきをした後の大量の葉っぱが捨てられ土にすきこまれているのは知っていました。葉っぱの処理が目的の畑になっておりますので、特に何かを耕作するわけではなく、ただ何年もトマトの葉が鋤きこまれ続けています。(パンクしてしまわないようかなり広い面積が確保してあります) それが「微生物のご飯になるんじゃないか?」と観方が変わる瞬間があったのでした。



3月のある日、水耕栽培ハウスへ行って担当の方に名刺を差し出し、事情をお話すると「それはありがたいお話です。もし使っていただけるならいくらでも使って下さい」と快諾をいただきましたが、その時の話の中で、この施設から出てくる廃棄物の中で、使えそうな可能性があるものとして「トマトの葉っぱ」以外にも「トマトのツル」・「栽培溶液の中に浸し、トマトを植え付けるヤシガラ培地」がある事を教えてもらいました。「葉っぱ」は前述の通り畑への鋤き込み、「トマトのツル」はトマトの樹を1年に1度更新する時に丸めて産廃業者へ処理を委託、「ヤシガラ培地」は新しく導入した方法なのでこれから処分のやり方を検討していくとのことでした。 ただ、ツルについては施設内での栽培様式でビニールひもを使い、それがツルに絡みついてしまっているので現実的に分離することが難しく、現段階では断念です。残るは葉っぱとヤシガラ。



本格的に使用する前に、炭素と窒素の割合は正確につかんでおきたいと分析機関をあちこち調べたら、1検体あたり2~3万円もするところばかりで途方に暮れていたのですが、「1検体6300円」で炭素・窒素の割合(C/N比)を出してくれるところが見つかり、早速見てもらったら意外な結果が出てきました。


*窒素1に対しての炭素含有率(C/N比)
「トマトの葉・乾燥・・・8.46」 
「トマトの葉・生・・・9.27」
「ヤシガラ培地・・・45.66」

あれあれ、トマトの葉はこんなに炭素率が低いのかと、びっくり。この数字は畜産堆肥の中でも一番窒素分の多い鶏糞並の数字です(水耕栽培だから??)。 またヤシガラ培地には水耕栽培で使う栄養分をと化した溶液が浸み込んでいたのでどの程度残存しているか心配していたのですが、「45.66」とはまさに炭素循環に理想的な数字が出てきたのでした。そんなわけでこの春から使用済みのヤシガラ培地を使わせていただく段取りが付き、畑に混ぜていく作業が少しずつ始まっています。

テーマ : オーガニックライフ
ジャンル : グルメ

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