ふーばぁの田舎暮らしだより No.30

ふーばぁの田舎暮らしたより

ふーばぁの田舎暮らしだよりー30- 2013.1.30. 石上 扶佐子


5年前の今頃、私はまだ京都にいた。3月に退職し安曇野に移住することになっていたので、荷物を減らすために身辺整理に精を出していた。それなのに、私は和服の古着を買い求めた。京都では絹や麻の古着の着物が沢山出回っており、見るとついつい欲しくなる。安価でもあった。古着屋の主人に「そんなもん買うて、どないしはります?」と問われて、答えられなかった。しかし、ともかく絹や麻はそれだけで魅力的だった。

 
衣装ケース2つ分程の余分な荷物を安曇野に持ち込んだまま、中をきちんと見たり着物に袖を通すことはなかった。いつか和服を着たいとは思っていたが、慣れない農場の暮らしの中で、それはあり得ないと思うようになり、絣の着物をほどいてスカートにしたり、好きだった小梅模様の絹の着物を太極拳用の服に作り替えた。
最近、赤い絹の着物でフラダンス用のスカートを縫い、とても気に入ったので、もう一つ作ろうと思い、紫の紬をほどきかけた。ふと、袖を通す気になり、着てみると、わくわくするような嬉しさが湧いた。あれれ、案外にいけるじゃん!


ここでの暮らしも5年が経とうとして、着物を着てみたいという余裕が出てきたのだろう。手近かな小物で和服を着て一日を過ごしてみた。絹の襦袢に絹の袷は暖かく、軽く、動き易く、肌に触れる感触が快かった。
下駄を探したら、京都の履物屋で求めた漆の下駄が出てきた。和服を着るのをあきらめていた時期、普段の突っかけとして一時その下駄を履いていたので、塗が剥げたり絹の鼻緒が擦り切れそうになっていたが、その下駄をていねいに洗っていると、京都を去る最後に抱いた強い思いが蘇った。下駄は求めるには躊躇する値段だったけれど、たった一つの贅沢と思ってそれを求めた時、いつか和服を着てみたいと、切に願っていたのだ。
まだ半月ほどだが、一日を着物で過ごすようになった。棚の上のザルを取るために腕を伸ばすと、着物の袖がするすると落ち、絹ずれの感触が腕に楽しい。割烹着を着て鍋の前に立てば、姿勢もシャンとして味見だってピシッと決まる。移動は小走りになり、羽が生えたように軽く、嬉しくてたまらない。


太極拳の教室で歩き方の練習をした時、正しい歩き方が、和服を着ている時の歩き方と良く似ているのに気が付いた。先生は「そうですよ、それですよ」とおっしゃった。「だから、昔の人は東海道だって、長距離を疲れずに、いくらでも歩けたのだ」と。


この快さはなんだろう。この安心感、この本来性。これは昔の記憶ではないだろうか。長い年月をこのように過ごした、その日常の安堵の記憶なのではないだろうか。着物を着よう!と思い立ち、にわかに忙しくなった。半襟をつけ、帯や腰紐やたすきやショールを縫い、襦袢は着易いように手直しをした。襦袢の下に着る絹の肌着も作った。幾つか替えもほしいし、ちゃんちゃんこや前掛けも作りたい。着物も作ってみたい。

初めて知ったこの素敵さを忘れずに、ずっと着物姿でいられたら、と強く願う。

2013年1月ふーばあ


テーマ : オーガニックライフ
ジャンル : グルメ

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