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ふーばあの田舎暮らしだより NO.33

ふーばぁの田舎暮らしたより


ふーばぁの田舎暮らしだよりー33-        2013.4.29 石上 扶佐子


 4月の半ば、早めに夕食を済まし、家族とウーファーさん全員で、ライトアップされた夜桜を見に、松本城へ行った。黒と白の松本城が端正な姿で夜空に立ち、堀端の桜並木は、満開の花をたわわに、夢見るように、黒い水面に白く映って揺れている。城内の桜の大木の下に立って見上げると、幾万の薄紅色の花房が、百重にも重なって頭上を覆い、枝枝とと花々の奥に、夜空が深々と広がっていた。

 石畳の道を、和服の裾を気にしながら、小走りに下駄で歩くと、カラコロと音がする。静かに歩くことも出来るが、下駄の音が好きで、ふざけがてらについ音をたててしまう。桜の下を浮かれ加減に歩いていると、明治期に松本の城近くで生まれ育ったひとりの女性を思いだした。彼女もきっと、この道をこんな風に歩いたに違いない。楽しげにカラコロと歩く、少女の姿が見えた。少女の名は青柳さく、といった。

 さくは明治19年、青柳家の次女として生まれた。青柳家は江戸時代から、御用商人として雑貨、小間物を藩家中に納め、上級武士の住む大名町に店と蔵を構え、商人の町である和泉町に住居があった。和泉町の生家は、城の敷地から300メートル東を走る松本街道沿いにある、現在の城東郵便局から南に数件下ったあたりだった。

 生家からこの通りをほんの100メートルあまり下った所に、当時、聖書の販売所があり、エルマー牧師夫妻や日本人キリスト者の拠点となっていた。さくがこの通りを下駄の音を響かせて行き来していた5歳のころ、そこには7名の伝道女が奉仕をしており、「日々学校」が開かれていた。さくは幼い日より、キリスト教に馴染んでいた。

 明治20年には開智学校(小学校)に幼稚園ができているので、生家から近いこの草創期の幼稚園に通っていたかもしれない。やがてさくは、開智学校で学び、松本高女の第一期生として卒業し、教職に就いた。第一期生103名のうち、社会へ出て仕事についたものは僅か8名だったから、彼女は先進的な女性だったといってもいいだろう。
 さくはやがて、穂高にあった井口喜源治の私塾、研成義塾の教師となる。新宿中村屋の相馬愛蔵や若き日の萩原碌山の協力で設立された研成義塾は、内村鑑三に見守れながら、優れた教育をなし、多くの人材を輩出した。初めの12年間、教師は井口一人で全教科を教えるという驚異的なものだったが、青柳さくの赴任により、裁縫他の女子過程が充実し、生徒数は大幅に増えた。さくは井口を助け、子供たちを愛し、一心に仕えた。さくが働いた12年間が、この私塾の黄金期でもあった。

 塾は貧しかった。井口は年々自分の土地を売りながら経営を維持したが、借金はかさむ一方で、教師の給料は少なく、住居や食料の確保にも事欠いた。やがて、さくは過労と栄養失調の中で突然の死をむかえる。35歳の若さだった。
 彼女はひた向きに生き、天命に殉じた。殉じることは、命をも捧げることだ。彼女は幸福だったと思う。この4月、桜の下で、その尊さを思った。

2013年5月ふーばあの田舎暮らしだより
ライトアップされた松本城

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